【イベントレポート】MW(マスター・オブ・ワイン)と南アフリカ3ワイナリーが大阪に集結!大混乱から生まれた、記憶に残る一夜

ワイン会・イベントレポート

EVENT REPORT|2026.10.8

予定どおりではなかったからこそ、
予定以上に記憶に残る夜になりました。

南アフリカを代表する3ワイナリーと
全9種類のワインを楽しむ来日セミナー。

世界最高峰のワイン資格「マスター・オブ・ワイン(MW)」を持つ醸造家を含む、南アフリカのトップ生産者が大阪・ワインサロン スープルへ。

一般公開前の先行案内だけで、わずか1日で定員の半数以上が埋まり、最終的には満席。20名のお客様にご参加いただきました。

ところが、開催当日。

未だかつてないバタバタ具合に……。

開幕前から、いきなり大ピンチ

当日、新千歳空港からの飛行機にトラブルがあり、生産者の皆さんの到着が開始時刻ギリギリになるとの連絡が入りました。

さらに、運営を一緒に行う予定だった鷲谷紀子も急用で不在に。

開催前の心の声

「よりによって、今日、全部来る?」

19時の開始予定時刻を迎えても、まだ生産者は到着していません。

そこで、お客様には1杯目の「グラハム・ベック ブリュット NV」を先にお楽しみいただき、周りの方と談笑しながら待っていただくことにしました。

ワインを片手に参加者同士で談笑していただいたことで、会場は少しずつ和やかな雰囲気に。皆様、温かくお待ちいただき本当にありがとうございました。

19時10分、生産者到着。打ち合わせなしで本番へ!

生産者の皆さんが到着したのは、開始予定時刻から約10分後の19時10分頃。

ゆっくりご挨拶する間も、進行を細かく打ち合わせる時間もありません。そのままセミナーが始まりました。

ところが、ここでもうひとつ問題が。

なんと……

プロジェクター用のPCが、まだ来ていない。

リチャード・カーショウMWによる南アフリカワイン講座は、スライドもプロジェクターも使わず、手元の資料と知識、そして熱いトークだけでスタートしました。

南アフリカの古い土壌、海と山が生み出す多様な気候、古木、クローン、冷涼産地エルギン……。

資料を投影できない状況でも、参加者全員が話に引き込まれていきます。

結論。
世界最高峰の知識に、PowerPointは必須ではありませんでした。

豪華すぎる3ワイナリー、全9種類

今回登場したのは、南アフリカを代表する3ワイナリー。それぞれ3種類、合計9種類を、生産者本人の解説とともに味わいました。

GRAHAM BECK|グラハム・ベック

解説:ピエール・デ・クラーク氏(セラーマスター)

① グラハム・ベック ブリュット NV

② ピノ・ノワール ロゼ ミレジム 2019

③ キュヴェ・クライヴ 2019

KERSHAW WINES|カーショウ・ワインズ

解説:リチャード・カーショウ氏(MW/オーナー兼醸造家)

④ GPSシリーズ ダイフェンホックス・リヴァー シャルドネ 2021

⑤ エルギン ピノ・ノワール クローナル・セレクション 2019

⑥ エルギン シラー クローナル・セレクション 2019

DE TRAFFORD / SIJNN|ド・トラフォード/サイン

解説:デヴィッド・トラフォード氏(オーナー兼醸造家)

⑦ ド・トラフォード シュナン・ブラン 2021

⑧ サイン ホワイト 2017

⑨ ド・トラフォード カベルネ・ソーヴィニヨン 2017

キャップ・クラシックの名門、冷涼産地エルギンを科学的に読み解くMW、ステレンボッシュとマラガスで職人的なワインを造る元建築家。

これだけ異なる個性を持つ3組の造り手から、同じ日に直接話を聞ける機会は、そう多くありません。

用意した控室。ところが、誰も座らない。

生産者の皆さんには、ゆっくり休んでいただける控室を用意していました。

ところが、誰も中で座りません。

皆さん、カウンター周辺に集まり、ほかの生産者のセミナーを聞きながら、お互いのワインを飲む、飲む。

そして、よくしゃべる。よく笑う。

控室より、仲間の話が聞けるカウンターの方が
特等席だったようです。

経歴だけを見ると緊張してしまうような方ばかりですが、実際は驚くほどフレンドリー。

南アフリカワイン業界の仲間意識と、生産者同士の距離の近さが伝わってきました。

説明する時間がない!英語のフードガイドが大活躍

生産者の皆さんにも、シャルキュトリーと国産チーズを大皿で用意しました。

・鶏と山椒のテリーヌ

・コンテチーズのサラミ

・豚モモ生ハム

・熊本・阿部牧場「ASO MILK CHEESE セミハード」

・北海道・白糠酪恵舎「ロビオーラ」

本当は一品ずつ説明したかったのですが、そんな時間は全くありません。

そこで、料理写真と詳しい英語解説を載せたフードガイドを添えて提供しました。

これが想像以上に好評。皆さん興味深そうに読みながら、おつまみとワインを楽しんでくださいました。

慌ただしいときほど、紙が静かにいい仕事をしてくれます。

スープルのグラスを、翻訳アプリで絶賛

グラハム・ベックのピエール・デ・クラーク氏は、スープルにある形も大きさも異なるワイングラスを、とても気に入ってくださったようです。

わざわざ翻訳アプリを使い、グラスの種類が豊富で素晴らしいと伝えてくれました。

そこまでして伝えてくださるとは、うれしい限りです。

普段は当たり前に見ている店内の景色も、世界的な造り手には新鮮に映ったのかもしれません。

セミナー終了後も、サービス精神が止まらない

今回、本当にすごかったのは、セミナーの内容だけではありません。

終了後も生産者の皆さんが各テーブルを回り、お客様と話し、質問に答え、一緒に写真を撮り、ボトルへサインをしてくださいました。

予定では20時30分頃に終了するはずでしたが、会場が落ち着いたのは21時30分過ぎ。

生産者が話してくれる。

お客様も、もっと聞きたくなる。

それは、なかなか帰れません。

ワインだけでなく、生産者の人柄とサービス精神まで、しっかりと伝わる時間になりました。

最後に、スープルの壁へ残してくれたもの

そしてイベントの最後に、生産者の皆さんへ、店内の壁にサインをお願いしました。

リチャード・カーショウ氏、ピエール・デ・クラーク氏、デヴィッド・トラフォード氏。

それぞれが、この日の記念をスープルの壁に残してくださいました。

なかでもクラーク氏は、日本語でメッセージを書こうとしてくださり、大澤貴子さんに「ありがと」と日本語で書いてもらい、その文字を見ながら壁へ。

壁に残ったのは、少し可愛らしい日本語の「ありがと」。

飛行機のトラブルから始まり、打ち合わせなし、パソコンなし。

未だかつてないほど慌ただしく始まったセミナーでしたが、最後に残ったのは、造り手たちのサインと温かい言葉でした。

これから店内でこの壁を見るたびに、あの日の笑い声や熱気を思い出すことになりそうです。

幅広いワインをご購入いただきました

参加人数20名
販売本数24本

参加者の約半数にワインをご購入いただきました。

比較的単価の高いワインが中心だったため、まとめ買いは多くありませんでしたが、特定の商品だけに偏らず、3ワイナリーから幅広く選んでいただきました。

特別価格の目的は、ただ安く販売することではありません。

この日に知ったワインやワイナリーのファンになっていただき、ご家族やご友人にも魅力を伝える“アンバサダー”になっていただきたい。

複数のワイナリーから幅広く選んでいただけたことは、その第一歩になったのではないかと思います。

バタバタだった。でも、記憶に残る夜になった。

今回のセミナーは、飛行機のトラブル、生産者の到着遅れ、スタッフの急な不在、PCがない状態での講義開始など、運営側としては未だかつてない慌ただしさでした。

それでも、お客様からは、うれしい言葉をたくさんいただきました。

「すごく面白かった!」

「この価格で、この内容はすごい!」

「記憶に残る楽しいセミナーでした」

予定どおりに進まない場面も含めて、生産者の人柄、知識、ユーモア、そして南アフリカワインの魅力が伝わる、ライブ感あふれる一夜となりました。

ご参加いただいた皆様、株式会社モトックスの皆様、通訳と進行を担当してくださった大澤貴子様、そして生産者の皆様、本当にありがとうございました。

NEXT WINE EXPERIENCE

造り手本人と、こんな距離で話せる機会。
次は、いつあるか分かりません。

「行けばよかった」と思う前に、
次のイベントはぜひお早めに。

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